透過型電子顕微鏡(TEM)による耐衝撃性樹脂材料観察事例
●シャルピー衝撃試験後のブロックPP試験片内部のTEM観察
TEM観察により、 ・ゴムドメインの分散状態 ・クレーズ発生有無、発生量 を把握し、耐衝撃材料開発をサポート致します |
上記に、シャルピー衝撃試験後のブロックPP試験片の破断面付近のTEM観察写真を示しました。
PPマトリックスに数μm以下サイズのゴムドメイン(黒色)が分散している様子が観察されますが、それらのゴムドメイン同士をつなぐように幅が狭く(サブμm以下)、やや濃灰色で斑なスジ状の形態が何本も確認されました。
これらは、クレーズ(craze)と考えられます。
この観察から、この材料はゴムドメインからクレーズを発生させ、衝撃強度を高くしていると推察されます。
このように弊社のTEM観察では、耐衝撃性樹脂材料に重要なゴム等のドメイン分散状態だけでなく、実際のクレーズの発生状況も確認することが可能です。